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課題I. デマンド・アドレッサブル・ネットワーク構築技術

(a) デマンド・インタプリタ

抽象的なユーザ要求を瞬時に解釈し、具体的なサブ要求の組み合わせに展開する技術。ユーザ要求は、(When, Where, What)からなる要素に分解され、単純なパラメータの組み合わせとなる。
例えば「ここから10km以内で出火の可能性は?」というユーザ要求は((When, Now), (Where, Here < 10 km), (What, Temperature = Rapid-Up))と展開される。また、ユーザ要求「ここから北側5km以内で2日以内に火災の起こった可能性は?」は、((When, Now > 2 day), (Where, ((Here < 5 km) & North), (What, Temperature = Rapid-Up))となる。 展開される要求に含まれるパラメータや予約語の情報は、インタプリタが起動したときに読み込める様にテーブル形式で用意し、そのテーブル内容を変更することにより、随時拡張できる様にする。

(b) デマンド・アドレッシング

展開されたサブ要求またはその組み合わせから所望のセンシングデータを保有するセンサまたはローカルDB等のリソースを、集中管理されたディレクトリ等を参照することなく、動的に発見する技術。Peer-to-Peer(P2P)技術で用いられている分散ハッシュテーブル(DHT, Distributed Hash Table)技術の適用を試みる。
ただし、検索キーは、上述したデマンド・インタプリタで展開された要求であるため、DHTに格納する検索キーは、P2Pにおける単純なファイル名ではなく、条件あるいはそれらの論理式となるため、それに対処するために新たな拡張が必要である。

(c) データマッシュアップ・ネットワーク

取得したデータをネットワーク内で統合(マッシュアップ)し、ユーザに提示する技術。プロジェクトリーダー等が保有するメッセージング・ネットワーク技術を構築基盤として用いる。
メッセージング・ネットワーク(MN)とは、XML routerとGateway装置を用いてOverlay-networkを構築する技術である。MNでは、XMLで記述したメッセージを単位として、Overlay-network上で、内容(Content)によるデータ転送機能を実現している。Gateway装置では、受け取ったローカルデータをXML形式のメッセージに動的に変換する。
メッセージは、XML解釈機能を有するXML routerによって目的端末まで転送される。XML routerは、必要に応じデータマッシュアップも行うことができるため、本研究で目指すネットワーク内でのデータマッシュアップ機能の基本部は既に実現している[9]。
ただし、I-(b)で実現するDHTを使用したリソース発見メカニズムとの統合、及び各センサネットワークやサービスシステムとの接点に配置するGateway装置に搭載するローカルデータとXML形式のメッセージの相互変換機能を効率的に実装する方法に関する検討が新規課題として存在する。

[9] T. Hayashi, H. Fukuhara, M. Hisada, K. Suzuki, T. Yamada, Y. Watanabe, J. Terazono, T. Suzuki, T. Miyazaki, S. Saito, I. Koseda, and J. Iwase, “A network-centric approach to sensor-data and service integration,” Proc. SICE Annual Conference 2011, pp. 2037-2042, 2011.