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国内外における位置付け

本研究の類似研究として、戸辺義人等がJST(独立行政法人科学技術振興機構) CREST「先進的統合センシング技術」プロジェクトとして行ったOSOITEプロジェクトがある[7]。
その中でも、Tomuは、大規模な時空間センサデータを蓄積する複数のリレーショナルDBを分散管理するTomuDB、類似検索を高速に行うアルゴリズムSTAX、新たなセンサを容易にシステムに取り込むためのセンサインタフェース記述言語USML等、斬新な技術を提案している。
本研究は、要求をOverlay-networkを用いて分散しているリソースに問い合わせ、所望のデータを得るという点ではTomuと類似しているが、データのマッシュアップ自体をデータ転送と同時にルータ装置が行うため、収集したデータをアプリケーションに合わせて端末側で加工する必要がない。本機能により、導入後の改変をシステム運用側だけで行うことができるため、大規模センサネットワークを構築する際に有利となる。
また、USMLによるセンサインタフェース記述は、あくまで、データ形式の変換が主であり、本研究で実現する「必要に応じて各センサノードの役割を能動的かつ動的にカスタマイズできる機能」は有していない。
よって、OSOITEプロジェクトの成果は、本申請研究を推進する上で参考になる部分は多いが、本研究が目指す「緊急性を有する災害現場に迅速に導入でき、保守不要で連続運用に耐える」という観点からは、同成果を直接適用することは困難である。
また、災害時に被災者の情報取得を目的とした興味深いセンサネットワークの研究もなされており、位置推定や動的なネットワーク構成法に関して新たな提案を行っている[8]。
当該システムは、被災者のトリアージを主目的に、センサノードを被災者に付与するものである。本研究が目指す災害現場の把握に役立つ広域センサネットワークシステムという意味からは、当該システムは、被災者情報という重要データを供給する既存システムとして位置づけられ、そこから得たデータは他のデータとマッシュアップし、ユーザに提供することができる。
以上述べたように、本研究で実現しようとする技術は、これまでの関連技術を統合、または、補完するものである。

[7]JST(独立行政法人科学技術振興機構) CREST「先進的統合センシング技術」プロジェクト OSOITE
http://www.sen.jst.go.jp/theme/theme_h18/Tobe.html
[8]東野輝夫,”災害時救命救急支援を目指した人間情報センシングシステム,” JST CREST, H21年度実績報告http://www.sen.jst.go.jp/result/result_h19/higashino/higashino003.pdf